“あいまいなデ-タは、実社会では避けることができない。しかも人間にとって極めて本質的であり重要なものである。本年度は、あいまい(ファジイ)デ-タを処理するための研究に関して、以下のような成果を挙げることができた。 1.ファジイPrologの構造を明確にしたこと 従来の2値の論理プログラミング言語であるPrologを、ファジイ論理に拡張した時、幾つかの拡張が可能であることを明確にし、それらの間の構造を明確にした。この研究成果に基づき、ファジイインタ-バル論理に基づいたファジイPrologシステム、PROFILを開発、製作した。 2.ファジイ集合における可能性尺度の性質を明確にしたこと あいまいさの度合いを表す可能性尺度の定義には、従来、問題があることが知られていた。本研究では、あいまいさにも各種の様相があることを見い出し、通常のあいまいさの解釈では問題が生じないような新しい可能性の尺度を定義し、その性質を明らかにした。 3.ファジイProlog PROFILによるオンライン文字認識システムの製作 本研究で開発したファジイPrologのシステムであるRPOFILを、オンラインの文字認識システムの記述に用い、本システムが有効であることを示した。 4.新しい近似推論方式の提案 これまで観察されているファジイ推論法の欠点を補う新しいファジイ推論法を見い出した。 来年度は、以上の研究成果を踏まえて、ファジイデ-タベ-スの開発に取り組みたい。
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