建築形態(多目的スペ-スの有無、教室と職員室との位置関係、分散型教師・準備スペ-スの有無等)、教育方法(チ-ムティ-チングの導入の有無、個別化・個性化教育の実践段階)等の違いによる教職員スペ-スの利用・運営実態の把握を目的として、 (1)4小学校を対象とした教師の日中の居場所と行為の分布のタイムスタディの分析 (2)同じ4校の教員に対する、教職員スペ-スの在り方に関する意見や問題点、分散型教師スペ-スの評価、カリキュラム・教材・校務分掌・学級・部等の物の管理・収納の状況についてのアンケ-ト調査結果のコンピュ-タによる集計・分析 (3)特に物品の管理・収納について、在来型校舎の規模の異なる2小学校における各教頭、学年主任に対するヒヤリング、等を行った。タイプによらず、日中は、職員室にごく近い教室の教師を除くと、教師は教室まわりで過ごし、朝と放課後の会議以外は昼休みを含め全員が揃うことはないこと、これに対して日中の職員室の機能的位置づけ、教室回りの教師スペ-スの有効性・役割、特に個別化教育に取り組む学校における増え続ける教材の製作・収納・打合せの場、休憩・会議等に対する在来型の大部屋式職員室の限界と新たな在り方、等を実態として明らかにした。 また、教師参加により校舎改築が進行中の中学校3校、小学校2校に対して上記の表題の投げ掛けを行い、それに対する教師の要求、意見を同時進行的に整理した。これにより分散型教師スペ-ス設置について学校運営面を含めて長所と問題点を明らかにし、計画・設計面上の教職員スペ-スの組立の課題をまとめた。 次年度には、教科担任制で教師の空き時間の多い中高等学校について調査を実施した上、学校経営を専門とする教育学者との共同で分析をおこない、学校運営を考慮した職員室の構成方法について提案をまとめる予定である。
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