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1989 年度 実績報告書

全身性エリテマト-デス患者の免疫異常発現機序の研究、細胞内情報伝達系からの解析

研究課題

研究課題/領域番号 01570365
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

松本 美富士  名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40080155)

キーワード全身性エリテマト-デス / カルモデュリン / 細胞内情報伝達系 / 自己免疫疾患 / 免疫異常 / カルモデュリン阻害剤
研究概要

最近、リンパ球の活性化、増殖、分化における細胞の生化学的現象について、他の真核細胞の場合と同様な反応系の存在することが明らかにされてきている。そこで、全身性エリテマト-デス(SLE)の免疫異常を細胞内情報伝達系から明らかにするため、SLE患者末梢血リンパ球のCa結合蛋白であるCalmodulin(CaM)反応機構について検討を行った。
疾患活動性を異にするSLE患者末梢血リンパ球の各種mitogen反応、およびT,B細胞のcocultureによる免疫グロブリンIgM産生反応に対するCaM阻害剤であるN-(6-aminohexyl)-5-chloro-1-naphthalensulfonamide hydrochloride(W-7)の影響について、W-7と構造的に類似し、CaM阻害作用のないW-5を対照薬剤として、免疫薬理学的に検討を行った。
活動期SLE患者末梢血リンパ球のmitogen刺激に対する増殖反応に、W-7は非活動期SLE、あるいは健康人にみられたような抑制効果は示さなかった。とくに、Con A誘導抑制T細胞に対するW-7の影響が著明であった。また、活動期SLE患者の末梢リンパ球のIgM産生反応の検討では、W-7は無刺激下のB細胞のIgM産生の亢進を抑制、PWM刺激によるIgM産生の低反応を回復させた。
以上のことはSLE患者の末梢リンパ球レベルにおいてCaM反応系に異常の存在することが示唆される結果である。今後の研究予定はSLEリンパ球においてinterleukin 2(IL-2)産生、反応、IL-2リセプタ-発現能に異常のあることが知られているが、IL-2反応系の異常について細胞内情報伝達系から検討を行うべく、準備中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松本美富士: "Calmodulin阻害剤(W-7)による全身性エリテマト-デス疾患末梢リンパ球の免疫グロブリン産生能の検討" 医学のあゆみ. 134. 355-356 (1985)

  • [文献書誌] 松本美富士: "Calmodulin阻害剤(W-7)によるB-リンパ球の免疫グロブリン産生反応の抑制" 医学のあゆみ. 133. 868-869 (1985)

  • [文献書誌] Yoshifugi Matsumoto: "Impaired Interleulcin 2 Responses in B Cells from Systemic Lupus Erythematosus" Japanese Journal of Medicine.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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