研究課題/領域番号 |
01570412
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
山内 眞義 東京慈恵会医科大学, 第1内科, 助手 (20138811)
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研究分担者 |
中島 尚登 東京慈恵会医科大学, 第1内科, 助手 (90207788)
中原 正雄 東教慈恵会医科大学, 第1内科, 助手 (30201669)
北原 敏久 東京慈恵会医科大学, 第1内科, 講師 (00119786)
藤沢 洌 東京慈恵会医科大学, 第1内科, 教授 (80056473)
亀田 治男 東京慈恵会医科大学, 第1内科, 教授 (00056467)
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キーワード | 肝再生 / アルコ-ル / 性ホルモン / Ornithine decarboxylase |
研究概要 |
臨床疫学的研究から、女性は男性に比べて、1日飲酒量がより少量でより短期間でアルコ-ル性肝硬変になることが明らかにされている。しかし、何故女性の方がアルコ-ルに対して高感受性を示すかについての基礎的研究はほとんどない。我々は、アルコ-ル代謝関連酵素であるalcohol dehydrogenase(ADH)とaldehyde dehydrogenase(ALDH)が共に雌の方が高活性を示す事を明らかにしてきた。また平成元年度では、女性のアルコ-ルに対する高感受性の機序を明らかにするために、肝再生の鋭敏な指標であるornithine decarboxylaseを中心に、急性アルコ-ル投与により雌rat肝で再生は有意に仰制された事を報告した。今回は慢性アルコ-ル投与による肝再性能の性差およびアルコ-ル代謝に及ぼす性ホルモンの意義を検討し以下の成績を得た。 SD系rat 雄・雌を、総calorieの46%に相当する炭水化物をEtOHで置換した合成液体飼料で6週間飼育し、その後肝再生の鋭敏な指標である、肝内IRーODC蛋白量を測定したところ、対照群では、肝内IRーODC蛋白量は雌で有意に高値であったが、EtOH慢性投与の雌rat肝では、雄に比べてIRーODC蛋白量は有意に低下し、肝再生は、雌でEtOHの慢性投与により有意に仰制された。また、慢性EtOH投与雌rat肝においてEtOH除去能の低下、肝内ADHとALDH活性の仰制および肝hydxyprolineの増加を認めた。雄rat睾丸のandrogenic steroid ADHは負の相関を示した。以上よりEtOH代謝能および肝再生能に性hormoneの関与が認められ、また慢性EtOH投与実験により、雄ratに比べて雌ratにより顕著なアルコ-ル性肝障害を再現しえた。
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