脳波は国際式10-20法の電極からFz、Cz、Pzを除いた16チャンネルに正中線より3cm両側にそれぞれ4チャンネルを加えた24チャンネルで記録した。棘波の自動検出と分布処理にラボラトリ-・コンピュ-タ(ATAK450、256kw)を使用し、30Hzで3db/octに減衰する低域フィルタを通った波形を4msecでAD変換し、波形に重畳する微細な雑音を除外するために3点移動平均法でスム-ジングしてから、棘波検出のパラメ-タに波形の尖鋭度、持続時間、振幅を用いた。波形の尖鋭度の指標に二次微分値を用い、持続時間と振幅を藤森法で計測した。尖鋭度と振幅の判定基準値は予備分析を行って症例および誘導法毎に対応的に決定し、持続時間を20〜80msecとした。この方法による棘波の自動検出率を検討するために、3名の臨床医に脳波を解読してもらい、3名のいずれかが棘波と判定した波形と、自動検出した波形を182サンプル比較してみた。臨床医は全記録を解読してから、指定された部分の棘波を識別したが、3名の臨医がいずれも棘波と認めたサンプルは146箇で、そのうち自動検出されたものが131箇であり、検出率は89.7%で、第1種の過誤が、10.3%であった。自動検出された波形のうちで、3名の臨床医がいずれも棘波と認めなかったサンプルは4個であり、第2種の過誤が22%であった。検出率が85%以上のデ-タについて2次元分布処理を行った。パルスに変換された棘波がエボック毎に配列されているデ-タテ-プを入力してエポック数を指定すると、指定したエポック数の時間帯で各チャンネルの棘波箇数が求められ、最大値を100とする各チャンネル毎の刺波出現率が算出された。モンタ-ジュに対応した5行6列のマトリックスを2880画素で補間処理を行うことによって、10〜20配色による棘波のカラ-トポグラフィを作成することが可能になった。
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