研究概要 |
1)10ー20方式の電極を含む24チャンネルのモンタ-ジュで脳波を記録し,ラボラトリ-・コンピュ-タ・システム(ATACー450,256KW)で棘波と鋭波の自動検出を行った。波形を4msecでAD変換してから,スム-ジング後に波形の尖鋭度,持続時間,振幅をパラメ-タとして棘波と鋭波を自動検出した。自動検出率を検討するため,3名の臨床医に同一の脳波を解続してもらい,その結果を対比したところ,89.7%の自動検出率が得られたので,検出率が85%以上のデ-タを分布処理および合成ダイナミック・トポグラムの解析資料とした。2)次に,チャンネル毎に棘波出現間隔ヒストグラムを作成し,それらを基礎律動の等価的電位トポグラフィ上に合成させ,棘波の出現様態と基礎律動の経時的変化をあわせて観察できるソフトウェアを開発した。プログラムは(1)基礎律動の等価的電位トポグラフィの作成,(2)棘波出現間隔とヒストグラムの作成,(3)両者の合成処理から成っている。処理結果はデ-タ・カ-トリッジに収録されて,脳波トポグラフィおよび棘波出現間隔ヒストグラムのカ-トリッジを同時入力すると,20配色のカラ-モニタ-TVに連続的に表示され,長時間記録も短時間で集約的に観察可能となった。3)さらに,棘波および鋭波の形態評価の結果を基礎律動の等価的電位トポグラフィ上に合成させ,てんかん波の合成ダイナミック・トポグラフィのソフトウェアを開発した。棘波および鋭波の形態評価の指標として上昇スロ-プと下降スロ-プの比を3方法で計測し,各方法による相違および相関を求めて最適指標を検討した結果,スロ-プの比を持続時間の比に置換できる方式を選定した。各波形毎の形態表示法を決めて,部分てんかん例を合成ダイナミック・トポグラフィで解析した。
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