研究課題/領域番号 |
01570907
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
橘 政昭 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 講師 (70129526)
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研究分担者 |
出口 修宏 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 講師 (90118977)
実川 正道 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (00101957)
田崎 寛 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (90051268)
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キーワード | 膀胱癌 / 尿細胞診自動化 / マススクリ-ニング / フロ-サイトメトリ- / DNA / Bromodeoxyuridine |
研究概要 |
膀胱癌の客観的組織化学的指標としてflow cytometric DNA histogram(FCM)を尿細胞診と比較する目的で、膀胱癌の存在が明らかな症例で、自然排尿検体の細胞診、膀胱洗浄液検体の細胞診、およびFCMの診断率を検討した。56症例の膀胱癌より得られた74検体について行った結果、自然排尿細胞診の陽性率は27/74(36.5%)、膀胱洗浄液細胞診は32/74(43.4%)に対し、FCMでの陽性率は56/74(75.7%)と最も高い陽性率が得られた。このことは、FCMが従来の尿細胞診を凌駕する膀胱癌の診断法となり得ることを示すものと考えられた。一方、FCMの診断的有用性を更に高める目的で、Bromodeoxyuridine(BrdU)の腫瘍組織に対するin vitro標識を試み、器官培養の技法を応用した、高圧、高濃度酸素による培養条件下にin vivoと同様のBrdU標識が可能となった。更に、このBrdU標識組織に対して、抗BrdUモノクロナ-ル抗体とpropidium iodide(PI)によるDNA-BrdU二重染色を行い、膀胱癌の細胞動態の解析をより多面的に検討することが可能となった。これら結果と膀胱癌の浸潤増殖性を検討中であり、DNA-BrdU二重染色解析法を尿中細胞に対して適応すべくBrdU標識方法ならびに二重染色法の改良を図っている。 形態学的細胞自動分析に関しては、automated intelligent microscpy systemにより尿中細胞成分を高速ストロボを使用して撮影記録し、その静止画像のコンピュ-タ解析より、尿中赤血球、白血球、上皮細胞、各種結晶成分の判定が可能となっており、更に上皮成分における異型細胞のコンピュ-タ判定方法を試験中である。
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