研究課題/領域番号 |
01570933
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤原 篤 広島大学, 医学部, 教授 (10033961)
|
研究分担者 |
木岡 寛雅 広島大学, 医学部, 附属病院医員
永井 宣隆 広島大学, 医学部, 附属病院助手 (90198292)
|
キーワード | 子宮頸癌 / 子宮頸部前癌病変 / ヒトパピロ-マウィルス / ウィルス発癌 / 分子生物学 |
研究概要 |
1.分子生物学的手法のin situ hybridization(I.S.H)法により子宮頸癌前癌病変である異形成の状態が高度に進行するにあたりヒトパピロ-マウィルス(HPV)のとくに16型、18型検出率が高く、初診時16型、18型陽性の異形成をその後追跡調査している。そして現在までにHPV陰性例6/(11)型陽性例に比べ16型や18型陽性例の異形成病変の進行もしくは保存されたものが多く、消失病変が少なかった。この事はHPV感染が子宮頸部前癌病変の維持もしくは進行と何らかの関連性を推測させた。 2.in vitro transcriptionにより作製したantisense senseの16型、18型(E6)/(E7)RNAプロ-ブによる(E6)/(E7)mRNA陽性例もHPV DNA陽性例とともに現在、追跡調査中である。そして16型、18型(E6)/(E7)mRNA発現例に子宮頸部前癌病変の進行例が多く認められる傾向がみられる。 3.I.S.HでHPV DNAの検出できた症例に対し、Southern blot hybridizationを行ない、HPV DNAの確認を行なっている。その相関性は高い。 4.Polymerase chain reaction(PCR)法を開始し、増幅部位は16型、18型のE7領域であり、増幅後の確認はSouthern blot法により行なった。材料は子宮頸部擦過細胞やホルマリン固定組織切片を使用し、これから、成績を出していく予定である。 5.子宮頸部腺癌とHPVの関連性をとくにdigoxigenin標識HPV DNAプロ-ブにより検討を始めた。その結果、現在までに腺癌におけるHPV18型陽性例の高い傾向がみられた。Southern blot法、PCR法で検討する予定である。 6.BrdU抗体による子宮頸部前癌病変のS期細胞は、正常扁平上皮が基底層に集中するのに対し、中層細胞までまばらに存在し、今後HPV DNA陽性細胞との分布を比較検討する予定である。
|