研究課題/領域番号 |
01570933
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
永井 宣隆 (1990-1991) 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (90198292)
藤原 篤 (1989) 広島大学, 医学部, 教授 (10033961)
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研究分担者 |
木岡 寛雅 広島大学, 医学部, 附属病院医員
永井 宣隆 広島大学, 医学部, 附属病院助手 (90198292)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / 子宮頸部前癌病変 / ヒトピピロ-マウィルス / ウィルス発癌 / 分子生物学 / ヒトパピロ-マウィルス |
研究概要 |
子宮頸癌発生とHPVとの関連を種々の分子生物学的検索より検討した。 1.子宮頸部初期癌並びに前癌病変である各種異形成に対しHPV DNA型を検討すると病変の進行とともにHPV16、18型の検出率が上昇し、HPV16、18型感染と子宮頸癌発生との間に何らかの関連がみられた。又、HPV16、18型陽性の異形成症例をその後経過観察しているが、他のHPV型感染例に比べ病変の存続又は進行のものが多く、個々の症例でもHPVと子宮頸癌の関連があった。 2.HPV16、18型遺伝子発現を検討すると異形成ではE_6/E_7発現例に病変の存続か進行がみられL_1/L_2遺伝子発現例では進行例は少なく、初期遺伝子領域の発現と子宮頸癌発生に関連を見出した。現在RTーPCR法により再検討中であるが、子宮頸癌ではE_5、L_1などの遺伝子発現は少ない。 3.子宮頸部腺癌とHPVとの関連もみられ、ISH法、PCR法よりHPV16、18型の関与が示唆された。但し腺異形成とHPVとの関連は少なかった。 4.子宮頸部擦過細胞を用いたPCR法より子宮頸癌並びに各種異形成におけるHPV16、18型陽性例の検出法を確立し、現在子宮頸癌発生のhigh risk群の検出に臨床応用している。 5.同じくPCR法を用いて高齢者子宮頸癌との関連、HPV自然史の解析を行ない高齢者でもHPV陽性は存在する事、又、HPVは子宮頸部のみでなく同一症例の他の女性生殖器にも感染する事がわかった。 6.HPVによる発癌機構を解明する目的で他の癌遺伝子Cーmyc,cーerbB_2のmRNA蛋白レベルの検出と比較検討したが、直接運動した機構は不明であった。 7.HPV感染例の細胞動態をBrdU.PCNAなどで検討しているがHPV感染、とくに16、18型陽性例にDNA合成の上昇がみられた。 以上、HPVによる発癌に関する成績はHP16、18型等のhigh risk群をとらえる必要性が重視されるが、発癌機構の解明には今後、より多画的に発癌遺伝子、癌抑制遺伝子等の因子との関連性を追求する予定である。
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