研究課題/領域番号 |
01570973
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
塚原 重雄 山梨医科大学, 医学部, 教授 (80010073)
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研究分担者 |
細田 源浩 山梨医科大学, 医学部, 医員
今井 雅仁 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90193656)
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キーワード | 白色家兎 / 免疫組織化学 / モノクロ-ナル抗人 / GFAP抗体 / グリア細胞 / 光顕 / 高眼圧 / ブロモデオキシウリジン(BRDu) |
研究概要 |
α-キモトリプシン、アルゴンレ-ザ-隅角線維柱帯光凝固などによる日本ザル高眼圧眼作成は非常に困難を極めたため、白色家兎眼に変更した。白色家兎眼後房内にα-キモトリプシンを注入し、高眼圧眼を作製し、その視神経内グリア細胞の変化を免疫組織化学的手法を用いて調べてみた。モノクロ-ナル抗人GFAP抗体は家兎視神経グリア細胞にも交叉性があり染色も良好で、コントロ-ルとの形態学的比較は容易であった。光顕的に篩板前後における神経線維の破壊、変性とともにグリア細胞の変化が明らかに認められた。そもそもグリア細胞は神経要素が阻害された場合、それを修復、充填する作用もあり障害部位でのグリア細胞の増殖も考えられる。そこで、同時にブロモデオキシウリジン(BRDu)を前もって静注しておき、増殖しているグリア細胞が取り込んだBRDuを、抗BRDu抗体を用いて染色してみた。しかし今回の実験で用いた高眼圧家兎眼ではその染色性は不良であり、これに対し以下のような推測がされる。用いた高眼圧家兎眼の眼圧に対して受けた障害が強すぎたためグリア細胞の障害も強く、その機能を発揮していなかったのではないか。又、高眼圧により視神経が障害される場合、グリア細胞が反応する時期があり、今回得られた組織の場合とは時間的にズレがあったことが考えられる。 したがって、今後は更に視神経グリア細胞の形態的な変化と、活動性(増殖性)の変化を経時的にとらえる必要があることが示唆され、これを追求していくことにする。高眼圧下における視神経内グリア細胞の活動性に経時的な変化が捕らえられれば、緑内障による視神経障害の可逆性、不可逆性がつかめると考える。
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