研究概要 |
眼圧上昇に伴う、視神経軸索輸送障害の機序と篩板への影響を検討するために、正常モルモットの視神経乳頭篩板部の微細構造をquickーfreeze,deepーetch,rotaryーshadow法にて解析した。 1.篩板を通る視神経軸索の微細構造を明らかにした。軸索内にはmicrotubule(mt)やneurofilanent(nf)が主な骨格を成し、その間には無数のcrossーlinkerが認められ、軸索内小器管もこのIinkerによって結合されていた。高速軸索輸送を支えるこれらのcrossーlinkerは5つに分類され、篩板の前後で形態学的影響を受けるかどうかを知るため、篩板前後でのlinkerの長さを定量した。その結果、篩板の前後で差がないことが分かり、軸索内の微細構造は篩板によって影響されない事が示唆された。 2.篩板を構成する各種成分の微細構造を明らかにした。特に神経膠細胞と篩板膠原線維との境界の基底膜と、篩板内マトリックスの微細構造が立体的に解明され、視神経軸索にかかる圧力が篩板膠原線維まで伝達される経路が理解された。
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