研究課題/領域番号 |
01571150
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 圭 京都大学, 薬学部, 助手 (50093266)
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研究分担者 |
來海 徹太郎 京都大学, 薬学部, 助手 (60204963)
米田 文郎 京都大学, 薬学部, 教授 (80040327)
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キーワード | 修飾核酸 / イオウ修飾チミジン / DNAオリゴマ- / 立体選択性 / 複素環化合物 / 還元的修復 / インタ-ヌクレオチド結合 |
研究概要 |
当年度は準備的研究期間として以下の結果並びに実績を得た。 1.リン原子が不斉ではないphosphoramiditeを用いd(T-T)ダイマ-をモデルとしてその反応性並びに立体選択性を検討した。この際顕著な選択性はみられず、今後反応条件の検討が必要である。 2.Tのphosphoramiditeのリン原子に由来するジアステレオマ-の分離を行ないそのH-NMR等のスペクトルデ-タを得た。 3.光学活性アミノ酸誘導体としてl-プロリノ-ルを用い、そのリン酸化誘導体とチミジン塩基との反応及び得られるTのphosphoramiditeともう一分子の核酸塩基との反応性を検討した。チミジン塩基のphosphoramiditeの形成においては優れた立体選択性が観察された。 4.古細菌から単離された塩基部イオウ原子修飾RNA塩基に相当するチミジン塩基並びにその類緑体を合成し、T-Tダイマ-の固相法合成後、ホモポリマ-であるdT_<10>等のオリゴマ-に組み込み、その物理的、化学的性質をpolydAとのduplex形成を用いて調べた。尚、本オリゴマ-合成に際しては、phosphoramidite並びにH-phosphonate法の両方を固体相法合成に適用した。 5.H-phosphonate法を用いて機能性を有する各種複素環化合物、特に、redox補酵素モデルやインタ-カレ-タ-として機能しうる5-デアザフラビン誘導体更には酸素活性化能をもつビオロ-ゲン化合物によるリン酸部(バックボ-ン部)修飾d(T-T)ダイマ-を合成した。続いてこれを修飾dT_<10>オリゴマ-の合成に展開し、一部はpolydAとのduplex形成を行ないそのTm値を測定した。これらの結果について現在種々考察を加えているところである。 6.チミン、アデニン塩基の酸化的損傷体における還元的修復に関するシステムの研究を行ない、2,3の有用な知見及び発見を得た。
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