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1990 年度 実績報告書

哺乳類細胞のH1ヒストンリン酸化酵素の精製とその活性制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 01571200
研究機関金沢大学

研究代表者

安田 秀世  金沢大学, 薬学部, 助教授 (40111554)

キーワードcdc2キナ-ゼ / H1ヒストンリン酸化酵素 / 細胞周期
研究概要

前年度cdc2キナ-ゼをマウスFM3A細胞をもちいて核画分から精製したが、この酵素活性は細胞質分画においても活性が高く、しかもこの細胞質の酵素は核分画にみられる分裂期での活性の急激な上昇は観察されず、細胞周期を通じて一定を保っていた。このことはG2/M期の移行段階以外での細胞周期制御におけるcdc2キナ-ゼの役割と密接に関係しているものと考えられた。このcdc2キナ-ゼの核分画での活性を細胞周期進行との関係で調べるとその活性はM期にG1/S期の7〜10倍に上昇した。この活性上昇にはcdc2キナ-ゼ蛋白質量の変化は伴わず、この蛋白質の翻訳後修飾によると考えられた。この翻訳後修飾はチロシン残基の燐酸化がG1/S、S期におこり、G2/M期での活性上昇に伴い、この燐酸基がはずれ、これが活性の上昇と直接むすびついているものと考えられた。次にG2/M期に哺乳類細胞において実際にcdc2キナ-ゼが必須な酵素かどうかをマウス培養温度感受性変異株を用いて、検討した。マウス温度感受性変異株のうちG2期に高温で停止点をもつtsFT210細胞のcdc2キナ-ゼcDNAの塩基配列をもとめ野生株のものと比較したところ開始コドンのAから905番目のCが変異株ではTに変化していることが確認された。この変化により272番目のアミノ酸がプロリンからセリンに変化した。さらに野生株のcDNAを変異細胞で発現させることによりこの変異細胞の温度感受性が相補されたことから、この変異が細胞がG2期に停止する原因であると考えられ、cd2キナ-ゼのG2/Mでの必要性が確認された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sasaki,Y.: "Isolation and characterization of a novel nuclear protein from pollen mother cells of lily" Plant Physiology. 94. 1467-1471 (1990)

  • [文献書誌] Yasuda,H.: "The difference in murine CDC2 Kinase activity between cytoplasmic and nuclear fractions during the cell cycle" Biochem,Biophys,Res,Commun,. 172. 371-376 (1990)

  • [文献書誌] Yamashita,K.: "Okadaic acid,a potent inhibiton of type 1 and type 2 A protein phosphatases,activates cdc2/HI Kinase and transiently induces a premature mitosisーlike stato in BHK cells" EMBO Journal. 9. 4331-4338 (1990)

  • [文献書誌] Yasuda,H.: "A point mutation in Cーterminal region of cdc 2 Kinase causes a G2ーphase arrest in a mouse temperature sensitive FM3A cellmntant" Cell Structure and Function. 16. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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