研究課題/領域番号 |
01580201
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
葛谷 博磁 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (60083424)
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研究分担者 |
池亀 守 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (00176083)
藤田 興 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (90173426)
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キーワード | PC12細胞 / 核タンパク質 / 神経成長因子(NGF) |
研究概要 |
ラット褐色細胞腫由来のクロ-ン化細胞であるPC12細胞から、細胞成長因子(NGF)に応答してリン酸化が促進される分子量約30kDaの核タンパク質の単離を試みた。核を分離後、0.5N HCIで超音波抽出し、終濃度25%トリクロル酢酸で沈澱させ、目的のタンパク質の抽出材料とした。本タンパク質は強塩基性で凝集性が強いが、酸性尿素ポリアクリルアミドゲル電気誘泳動により検出できる。ゲルからの抽出後およびウエスタンブロット後、N末端アミノ酸配列の分析を試みたが、隣接するタンパク質との分離が不充分で、分析できなかった。ついでpH9から11の範囲で調製用等電点電気泳動を試みた。目的のタンパク質は等電点約10.5、酸性尿素ゲルで隣接するタンパク質はpH約9.5の画分に分布した。pH約10.5の画分を中圧クロマトグラフィ-によるゲルロ過(TSKG3000SW、8×300mm、5M尿素、pH5.0、50mM酢酸バッファ-)および陽イオン交換クロマトグラフィ-(MonoS、5×50mm、5M尿素、pH8.0、50mMTrisバッファ-)で単離を試みた。大量に含まれる他の核タンパク質の狹雑が多く、精製は困難であった。目的のタンパク質と他の大量に含まれる核タンパク質主にヒストンとの分離を、0.5NHCI抽出、0.35M食塩抽出、5%過塩酸抽出後、2、10、20%トリクロル酢酸による分画沈澱を試みたが、いずれの方法によっても他のタンパク質と同じ画分に沈澱した。しかしpH範囲9から11の調整用等電点電気泳動により目的のタンパク質はpH約10.5の画分に、酸性尿素ゲルで隣接するタンパク質とは別かれて分画されるので、pH10.5画分から、低電圧、長時間の酸性尿素ゲルで目的のタンパク質を分離することができる。ウエスタンブロット後、N末端アミノ酸配列の分析および、ゲルの直接注射による抗体作製の可能性を得た。
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