研究課題/領域番号 |
01580289
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研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 教授 (20169022)
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研究分担者 |
石原 保志 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 助手 (70212917)
高橋 秀知 筑波技術短期大学, 電子情報学科, 教授 (20013378)
川口 博 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 教授 (40152938)
小畑 修一 筑波技術短期大学, 一般教育, 教授 (50114054)
中川 辰雄 国立特殊教育総合研究所, 聴覚言語障害研究部, 研究員 (00164137)
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キーワード | 聴覚障害者 / 難聴学級 / 聾学校 / 補聴器 / 音声言語情報 / 授業場面 / 難聴者のきこえ / シミュレ-ションビデオ |
研究概要 |
1.聾学校、難聴学校の教室の聴覚障害生徒の位置で得られる話者からの聴覚的・視覚的音声情報の収録を、釧路聾学校、宮城聾学校等において実施した。その資料を分析した結果、教室内の教師の音声を信号とした場合、それに競合する雑音は複数も生徒が同時に話す時の音声であることが分かった。 2.聴覚障害者の固有の聴力の損失レベルおよびオ-ジオグラムのタイプにより、雑音下ではどの程度受聴明瞭度が低下するかを把握する目的で、まず10名の成人の音声を同時に合成録音したマルチト-カノイズを作成した。さらに、雑音下での文章了解度を検査するための「日常生活文リスト」を作成しノイズ下の語音聴力検査法を試作した。 3.補聴器の電気音響的特性の条件に応じた環境音、音声等の加工処理を行い、難聴者の聴こえと音の歪みをシミュレ-ションする音声テ-プを試作した。これらの音素材を聴覚障害児を持つ親や聴覚障害教育に携わろうとする教師、学生に聞かせることにより、難聴の聞こえの特性と聴覚補償に関する理解が深まることが分かった。 4.聴覚障害(児)者の座席の目の位置から教壇の話者を録画記録し画像を分析した結果、平坦な床構造の一般的な教室では、教師の口形、手話、表情が前面の人の身体で頻繁に遮られ、階段状の床構造の教室に比べ著しく視覚情報にマスキングの影響を受ける状況が観察された。 5.筑波技術短期大学の聴覚障害学生の授業場面で用いられる予定の「文字情報伝達システム」、「話者口形拡大提示システム」、「補聴システム」を構築し、教師の音声、口形、手指、文字による情報伝達の様相を分析する資料を収集するための機器を装置した。これにより情報受容の困難性を示す代表的な場面を設定し、コミュニケ-ション状況を分析評価することが可能となった。次年度には、実際の教室場面で聴覚的・視覚的情報マスキングの起こる状況をVTRで録音録画し、シミュレ-ションビデオテ-プの内容構成を検討する予定である。
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