研究概要 |
本研究の目的は、我々が開発してきた超高真空用ステッピングモ-タ、真空用スライドベアリング、真空用ボ-ルねじなどを使って、超高真空下での表面分析をミクロに精度よく行うための精密試料位置制御装置を開発することである。本年度は従来から進めてきた装置の設計に対して最終チェックを行い、東北大学科学計測研究所の付属工場で実際の製作を行った。その製作は、5軸(x,y,z,θ,ψ)が微調可能な真空用の精密ステ-ジと、それを収める超高真空容器に分けて行なわれた。容器は重量を軽減するために、アルミ合金を使用した。これは我々の工場にとって始めての経験であり、アルミ合金の溶接技術の収得から始まった。それは容易なことではなく、真空リ-クテストをくり返しながら数ケ月を費やした。現在はタ-ボ分子ポンプとイオンポンプをとりつけ、超高真空へのテストを行っている。我々の部品は費用との関係もあって、アルミ製とステンレス製のものが混在する状況にあり、ベ-キングによってしばしばフランジ部分からのリ-クを経験している。現在の最高到達真空度は2×10^<-9>ト-ルであり、目標値よりも一ケタ悪い。現在はそれを改善するための努力を行っている。容器内に入る精密ステ-ジ本体の製作についても、種々の困難があったが、現在はそれを乗り越えて、試作を完了している。しかし、実際の動作テストは真空容器内で行なわれなければならず、真空容器が初期の性能に到達していない現状では、まだ実行されていない。これは来年度の課題である。
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