研究概要 |
平成元年度は地図記号認識に適した地図を選定して地図記号認識の研究を遂行した。その研究経過と成果をまとめると次のようになる。 1.地形図は全国で約6,000種存在するので、取捨選択して小田原地区をディジタルデ-タ化の対象とした。 2.小田原地区の地形図の色彩認識を試験し、色分解基準で印刷物情報をどの程度区別できるかを調査した。この実験結果から色分解基準は市販装置で実用性があることが分かった。 3.地形図のカラ-分離デ-タをデ-タ圧縮したところ約8分1にできることが判明した。 4.地図記号の分離体系の概念図から実行形式に移行することを検討し、分離記号と非分離記号を区分することになった。 5.地図記号の特徴点として端点、交点、分岐点などが判定要素になるが、これらの特徴点と距離や要素間の角度の特徴がどのような関係記述子で表現可能であるかを整理したところ、距離や方向の特徴を認識要素として見出すことができた。 6.地図記号の基本パタ-ンをベクトル形式と画像形式で保存するための方針を定めた。まずベクトル形式では2値化、細線化等の画像処理により幾何学的特徴点を抽出して一部の地図記号の認識率を求めた。この認識率を求める処理過程とその結果を論文にまとめることができた。 7.画像形式での地図記号認識では処理部のモジュ-ル化をワ-クステ-ションで開発し、分離記号の認識を行った。この結果、90%の地図記号は認識できるが、認識率を100%にするには認識要素を追加する必要性があることが判明した。
|