研究課題
試験研究
本研究のキ-デバイスである高エネルギ-X線検出器に関し、その検出効率、ダイナミックレンジ、過渡応答など物理的諸特性面の検討を行い、CdW0_4とBG0の2種類で検出器を設計、製作後、4MVX線でデ-タ測定を実施した。その結果6mm厚のCdW0_4検出器が高エネルギ-X線検出器として最適であることを確認した。尚検出器の実験結果は、以下の通りである。(1)検出器感度は、0.2mm厚AlのX線吸収が分離できた。(2)検出器信号の揺ぎはσ=0.02〜0.056%であり、感度に比べ十分小さい。(3)立上り、立下り応答は、1msec以下であり繰り返し300PPSのパルスX線源用検出器として採用可である。(4)検出器間のクロスト-クは最大5.6%と低く、画像への悪影響は小さい。(5)減衰係数は、5.29×10^<-3>(mm^<-1>)であり吸収体が厚くなるに従い低エネルギ-X線成分が除去されるビ-ムハ-ドニング効果を確認した。尚、以上の結果は本年度製作した20個の検出諏とデ-タ処理用高速A/0変換器により得られた。また、上記ハ-ドウエアと並行してCT用画像再構成ソフトウエアの検討を行い、再構成アルゴリズムとしてフィルタ関数を用いたBack projectionソフトウエアの基本部分の設計とシミュレ-ションを完了した。尚、ソフトウエアの開発は、エンジニアリングワ-クステ-ションHP9000を用いて行った。以上の結果、CdW0_4検出器と画像処理ソフトウエアを用い、高エネルギ-治療ビ-ムによりライナックアイソセンタの位置でピクセルサイズ3mm×3mm以下、水等価厚0.4mm以下の分解能を有する位置決め用CTの開発の目度がついた。研究分担は、検出器、ソフトウエアの基本設計を東大側が担当、詳細設計、製作を三菱電機が担当したが、来年度も同様の分担でハ-ド、ソフトの開発を行う。
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