研究課題/領域番号 |
01870117
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
池本 卯典 自治医科大学, 医学部, 教授 (90048942)
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研究分担者 |
福井 えみ子 自治医科大学, 医学部, 助手 (20208341)
土田 修一 自治医科大学, 医学部, 助手 (20217326)
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (10232711)
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 講師 (40204391)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 骨髄移植 / 標識遺伝子の転換 / GVHD / 生着の判定 / 血液型 / DNA多型 / 電気泳動法 / HLA |
研究概要 |
従来、移植骨髄の生着の確認は、患者と提供者の性の異なる時は染色体分析を、同性の場合は赤血球遺伝標識の提供者への転換により確認する法によった。ABO抗原によって生着の生着の確認されたものは、meyor mismatchでは75%、minor mismatchでは40%とする報告もある。これらの報告を背景に可及的多数の標識遺伝子を検出し提供者とは異った患者の標識遺伝子のdonor型への変化と移植骨髄の生着との関連を考察した。 その結果、ABOシステムのみならず、MNSs^^ー、P、Rh、Duffy、kidd、Xgシステムなどの赤血球型をはじめ、赤血球酵素の多型に由来するEsD、PGM、PGDシステムなども提供者型に転換する。検討した症例は16例で、検査時期は移植後1ケ月から17ケ月と広範囲に及ぶ。これらの症例はいずれも、臨床経過は順調といわれており、転換した遺伝子はすべて提供者を維持していた。また、DNAのVNTR多型にも同様な現象が認められた。従って、転換した標識遺伝子が提供者型を維持している限り、移植骨髄は生着していると考えてよかろう。しかし、なるベく多くの標識遺伝子を調査し、提供者型に転換した患者末梢血液中の標識遺伝子が提供者型を維持し続けることを検出できることは、生着効果判定の指標として、より有効である。予後の悪かった1例について、骨髄移植後の標識遺伝子の挙動を追跡したところ、再発時には、一度は提供者型に変化していた標識遺伝子は、すべて本来の患者型に逆戻りしていた。 なお、HLA型のクラスI、IIは適合していてもMLC活性の高い症例について、DPβ、DQβ、DRβなどのcDNAプロ-ブを用いて、RFLPを検討してみたところ、患者に提供者や患者の両親に発現していない特異なDNAバンドを認めた。それとMLC活性の関係は存在する可能性もあるので続けて情報を集積したい。
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