研究分担者 |
斎藤 勝彦 足利工業大学, 講師 (30118434)
W. FULGIONE イタリア国立研究会議, 宇宙地球物理研究所, 助手
M. AGLIETTA イタリア国立研究会議, 宇宙地球物理研究所, 助手
P. GALEOTTI イタリア国立研究会議, 宇宙地球物理研究所, 教授
O. SAAVEDRA トリノ大学, 物理学研究所, 教授
C. CASTAGNOL イタリア国立研究会議, 宇宙地球物理研究所, 教授
久我 清 岡山理科大学, 大学院工学研究科, 博士課程2年
中川 益生 岡山理科大学, 理学部, 講師 (70148683)
御法川 幸雄 近畿大学, 理工学部, 助教授 (90088500)
高橋 信介 弘前大学, 教養部, 講師 (40216742)
川口 節雄 弘前大学, 教養部, 教授 (30013395)
和田 倶典 岡山大学, 理学部, 助教授 (10033200)
井上 直也 埼玉大学, 理学部, 助手 (40168456)
GALEOTTI Piero Professor, Institute of Cosmogeophysics, National Council of Council
CASTAGNOLI Carlo Director, Institute of Cosmogeophysics, National Council of Research
FULGIONE Walter Research Assistant, Institute of Cosmogeophysics, National Council of Research
AGLIETTA Marco Research Assistance, Institute of Cosmogeophysics, National Council of Research
SAAVEDRA Oscar Department of General Ohysics, University of Turin
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研究概要 |
1)イタリアのグランサッソー地下物理学研究所の大容積検出器(LVD)は大容積の液体シンチレータと3次元トラック解析可能なストリーマーチューブからなる多目的検出器である。検出器は5タワーからなる全部で190個のユニット構成になっている。1ユニットは8個のシンチレーションカウンターをL型のトラック構成システムで囲んだ構造になっている。全シンチレターの重量は1840トンで40m×12m×13mの大きさになる。 1991年10月に第一タワーの四分の一(液体シンチレーター90トン)が稼働した。第一タワー全体(368トン)の運転は1992年6月から行い,デターを収録・解析を続けている。この量の液体シンチレータは世界最大であり,超新星爆発からのニュートリノ観測装置としても最大なものの一つである。本年2月までの観測で低エネルギーニュートリノ計測に極めて有効であることが確かめられ成果が得られ,この成果をもとに引き続き,星の崩壊の研究を行っている。 又,超高エネルギー宇宙線現象の研究のためのEAS-TOP装置(グランサッソーの頂上にある)とLVD装置(その深い地下に位置する)の連動実験にも成功し,いままで見られなかったミューオン束のイベントが両方の検出器で確認される等の成果を得た。 又,LVDの第2タワーの建設が進んでおり年内に完成予定であり,来年には第3タワーに着手する予定になっている。 グランサッソー地下物理学研究所における高エネルギーミューオンの強度という物理量は,地下実験所における基礎的物理量である。この実験解析のためのミューオンの深さ一強度曲線の理論計算が,日本グループによりモンテカルロ法で,フイレンツェ大学により解析的方法で,行われ総合されているところである。 2)通常の放射線測定器では検出不可能な光速度の千分の一以下の超低速・超重粒子の検出を行うためにTL(熱ルミネッセンス)シートスタック(TLシートと医療用エックス線フィルムの重み合わせたものからなる)とTLシートの2次元読み取り装置の開発を行い,イタリアのモンブラントンネル地下実験所に50m^2設置し,約2年間曝露してきた。 今回,エックス線フィルムを現像し,17m^2年の精密解析を行った。5枚のエックス線フィルムが総て,条件を満たしたイベントが二例その解析から得ることができた。そのイベントの対応する4枚のTLシートを読み出した結果,強く発光すると思われる光速度の千分の一程度の超低速・超重粒子は見出されなかったが,一例が光速度の一万分の一のGUTモノポール(磁気単極子)のTL発光と4枚のシートのいずれも一致するという結果を得た。この速度でのGUTモノポールの検出は世界で初めてであり,確証されれば大変重要な発見となる。すでにこれまで多くの実験が行われ,検出が否定されてきたプラスチックのCR39は百分の一つの速度のモノポールでも検出が難しいとプライス達によって報告されているので,TLシートスタックは大いに期待することができるという成果を得た。 今回の結果を確証するために,残りのエックス線フィルム及びTLシートの精密解析をトリノ大学にて行っている。
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