研究分担者 |
HENNINO Saclay研究所(フランス), 教授
RADVANYI Saclay研究所(フランス), 教授
KIENLE P. GSI研究所(西独), 教授
片山 一郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (30028237)
土岐 博 東京都立大, 理学部, 助教授 (70163962)
下浦 享 東京大学, 理学部, 助手 (10170995)
田村 裕和 東京大学, 理学部, 助手 (10192642)
酒井 英行 東京大学, 理学部, 助教授 (90030030)
石原 正泰 東京大学, 理学部, 教授 (40013396)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80011500)
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研究概要 |
本年度11月にフランスSaclay研究所のSaturne加速器を利用し、^<208>Pbを標的とした(d,2p)反応実験を行った。この実験は、π中間子原子の深い束縛状態生成を目指したもので、デ-タは順調に収集され、現在実験デ-タを日本に持ち帰って解析中である。 現在までに得られた結果から、i)装置の分解能は、ほぼ当初予定通りで1MeV FWHMを達成できている、ii)π中間子原子生成の断面積が、Tokiらの理論計算どおりであったとすると、今回の実験でπ中間子原子生成に起因するピ-クが発見できるはずである、との見通しを得た。しかし(d,2p)反応のより詳細な理論計算(d及びpの歪波を正確に取り入れた計算)が進み、それによるとπ中間子原子生成の断面積が当初予定よりも10倍以上小さいという予想が出つつある。これは,(d,2p)反応では歪波の影響を小さくし,同時に1s,2pなどの角運動量の小さな状態を作ることが困難であるという事情に因る。 一方,(d,2p)反応のかわりに(d,^3He)反応を用いれば、歪波の影響を少なくし,かつ角運動量の整合性を満たすことが出来るため,生成断面積が大きいことが見いだされた。そこで,次年度以降は(d,^3He)反応を中心に実験を行う計画である。 また、重陽子標的に鉛ビ-ムをぶつける逆反応実験をGSI研究所の重イオンシンクロトロンで行う件についても同様に理論的検討を行い,d(^<208>Pb,X)^3He反応を行うための測定器及び加速器との整合性に関する検討を現地において行った。
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