研究課題
1991年秋から1992年夏まで、この国際学術研究の研究分担者の一人であるBrualdi責任者として、ミネソタ大学のIMA(数学及び応用研究所)で、行列解析を中心とした「応用線形代数」の特別年プログラムが開催されているが、研究代表者の安藤は、このIMAを訪れ、研究分担者Brualdi及びSchneiderとこれまでの研究経過、今後の研究計画について打ち合せを行なうとともに、行列の極値問題に関してのセミナ-を行なった。研究分担者永井は、6月に神戸で開催された国際会議「回路網とシステムの数学理論」に参加し、行列解析の信号処理への応用に関して各国の研究者と討論、情報交換を行なった。また、研究分担者中路は、ウイスコンシン大学を訪問し、Hankel行列の制御への関連についてセミナ-で突っ込んだ討論を行なった。今年度に得られた主な結果は次の通りである。(1)安藤は、ある行列の凸集合のすべての端点の完全な解析的記述に成功した。(2)Schneiderは、行列の視野から、重み付きの有向グラフのBalancingの条件を解明した。(3)Brualdiは、組合せの手法で、自分自身と双対関係にある符号列の数え上げに成功した。(4)永井は、対応する行列の分解に注目して、2線条ラインを次々に取り去ってデジタル・フイルタ-を構成していく方法を解明した。(5)中路は、Hankel行列を一般化したHankel作用素を連続にする荷重関数の形を決定した。(6)中村は、Horn等と共同で、特殊規則による行列の積のノルム評価を得た。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)