研究概要 |
ウサギ肝ミクロゾ-ムチトクロ-ムPー450_<PB>再構成系によるN,Nージメチルアニリン(以下DMAと略す)のモノオキシゲネ-ション反応は、DMAの酸化的Nー脱メチル化反応をおこしNー脱メチル化物であるNーメチルアニリン(以下NMAと略す)とホルムアルデヒドを生成する。この反応におけるNACPHの消費量はNMA生成量をはるかに超えることが明らかになり、かつ、そのNADPH消費量はス-パ-オキシドディスムタ-ゼ(SOD)の存在で著るしく減少することも明らかになった。この事実はチトクロ-ムPー450_<PB>再構成系によるDMA酸化の際にス-パ-オキシドアニオンラジカルが溶液中にリ-クして、それが更にNADPHの自働酸化をひきおこしていることを示す。DMA濃度の増大と共にSODによって抑えられるNADPH消費速度が増大し、DMAはチトクロ-ムPー450再構成系によるNADPH自働酸化速度を増大させることも明らかになった。 このチトクロ-ムPー450からリ-クしたス-パ-オキシドによるNADPHの自働酸化反応についてより詳しい情報を得るために、キサンチン/キサンチンオキシダ-ゼ系によるス-パ-オキシド生成系におけるNADHの自働酸化速度論について検討した。反応速度は典型的な自働酸化速度式に従がい、NADPHとス-パ-オキシドアニオンラジカルの共役酸であるヒドロペルオキシラジカルの二次反応速度定数は25℃で9.26±0.58×10^4M^<ー1>S^<ー1>と求められた。又この系にDMAを存在させるとNADPH自働酸化反応速度はDMA濃度に対して直接的に増大することが判った。 キサンチンオキシダ-ゼ系によるNADPH自働酸化反応速度論の結果より、Pー450再構成系による1mMDMAの酸化の際に消費されるNADPHのうち約40%が自働酸化によることが明かとなった。
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