研究課題/領域番号 |
02301021
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
江原 由美子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (20128565)
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研究分担者 |
坂本 佳鶴恵 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (60201521)
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 専任講師 (80208173)
藤村 正之 武蔵大学, 人文学部, 専任講師 (00190067)
山崎 敬一 埼玉大学, 教養部, 助教授 (80191261)
山田 富秋 県立山口女子大学, 文学部, 助教授 (30166722)
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キーワード | 会話分析 / 制度的場面 / ビジュアル・デ-タ / 順番取りシステム / トピック支配 |
研究概要 |
本研究は、制度的な社会的行為場面において生起する微細な権力関係を、主として会話に着眼することによって分析することを目的としている。平成2年度においては、1.海外の会話分析に関する論文・研究の収集・検討,2.いかなる場面においてどのような手法を使用して研究・分析を行うのかについての検討を行った。 1に関しては、まず海外文献リストを作成し海外文献で入手困難なもの(シンポジウム等)についてはコピ-等により収集した。次に、収集文献のなかで、特に本研究参加者に関心の高かった科学社会学関連の文献については、研究会等で検討を重ねた。 2に関しては、それぞれの研究分担者が既に研究を行っているデ-タをもちよることで、心理療法場面における会話・労使紛争場面における会話、離婚調停場面における会話、テレビドラマにおける会話、ニュ-ス番組や討論番組における会話など、順次検討を重ねた結果、以下の2点が見出だされた。(1)心理療法場面やテレビドラマ場面などにおいては特にビジュアルなデ-タの利用が不可欠で、単に音声のみの分析では、その場面における行為の意味が見出しにくいこと,そのため至急ビジュアル・デ-タの分析手法の確立が要請されていること。(2)仮説において予想されたそれぞれの制度的場面特有の会話の形式が、順番取りシステム.トピック支配等において、かなりはっきり読みとれること。それらが専門家対クライエントの社会的場面に共通の特徴を含んでいるのかどうかについては未だ検討の余地があるが、日常的相互行為における通常の会話の規則と比較して非常に大きな相違があることは明白に確認された。3年度以降は、共通のデ-タの基づき、この点をさらに分析していく予定である。
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