研究課題
教育職員免許法の改正に伴う新カリキュラムが、1990年度から実施された。本研究は2年間の継続研究であり、その改正過程の問題、意見、カリキュラムの実態・特徴等を、国公私立大学(短大を含む)にわたり全国的規模で総合的に調査研究することを目的とする。第1年次の本年度は、これらの問題に関する全大学対象(回答者:教職課程・教育学科主任等)のアンケ-ト調査と関係資料(履修要覧などを掲載した学生要覧、講義要項等)の収集を行い、研究報告書・『新教育職員免許法下の教員養成カリキュラムに関する調査研究』(B4版・全42頁)にその一端をまとめ、日本教育学会の研究大会(1990年8月30日、九州大学)に発表し、その後も、研究分担者によりこれらのデ-タの分析と共同討議をすすめている。第1年次の研究により到達した主な知見等は以下の通りである。(1)教員養成に関する大学の類型別(国大学[教員養成系大学・一般大学]、私立大学、短期大学)の格差・差異が具体的に把握できたこと。(2)教員養成の実情、特に教職専門教育科目担当教員の配置状況の問題点と条件整備の課題が鮮明になつたこと。(3)教員養成カリキュラムをめぐる法制と大学現場の意見・方針とギヤップを含む諸関係が明らかになったこと。(4)教員養成においてめざされる多様な教師像とカリキュラム基準のあり方等の関連が分析できたこと。これらを通じて、「大学における教員養成」、開放制免許制などの実情が大学の類型に即して具体的に究明された。第2年次の研究では、収集資料の分析、大学類型別の事例研究に加え、一般教育と専門教育の区分廃止に伴う教員養成カリキュラム上の問題について考察し、新カリキュラムの総合的調査研究を仕上げ、研究報告書をまとめる予定である。
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