研究課題/領域番号 |
02301052
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今永 清二 広島大学, 文学部, 教授 (60033502)
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研究分担者 |
日高 一宇 北九州工業高等専門学校, 助教授 (80033512)
森田 明 大阪市立大学, 文学部, 教授 (20078455)
曽田 三郎 広島大学, 文学部, 助教授 (40106779)
寺地 遵 広島大学, 文学部, 教授 (60033487)
伊原 弘介 静岡大学, 教養部, 教授 (60022109)
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キーワード | “地域自治" / 中央権力 / 歴史的段階性 / 人口移動 / 国際的契機 / 国内的契機 |
研究概要 |
「アジア史における地域自治の基礎的研究」と題する本科研メンバ-は、『申報』などの設備備品をほぼ計画通り購入し、これらを研究の素材としつつ個別研究を進め、月例研究会および打ち合わせ会を開催して相互の知見を高めた。第1回打ち合わせ会では、本科研メンバ-の金子肇氏より「北京政府下の地方行政と省自治風潮ー1920年代前半の江蘇省を事例としてー」と題する報告が行われた。当該時期の自治運動の活性化を国際的契機および国内的契機から説明しようとした金子報告に対しては、各研究分担者から様々な意見が提出された。そのなかから今後の研究の焦点として、(1)“地域自治"の担い手の特質の解明、(2)“地域自治"が実現しようとした政治的・経済的・文化的目的の総合的把握、(3)中央権力と“地域自治"との相互規定性の動態的理解、の三点が確認された。こうした観点を踏まえ、科研メンバ-は個別研究を進めるとともに月例研究会を開催したが、第2回打ち合わせ会では、中国社会科学院研究員の喩松青氏より「19世紀初期の清朝ー嘉慶・道光年間を中心として」と題する報告が行われた。喩報告は中国における最新の研究動向を科研メンバ-が学ぶ絶好の機会となったが、今後の研究課題として、(1)それぞれの地域・時代における“地域自治"の歴史的段階性の規定をめぐる方法論の今以上の鍛練、(2)当該時期・地域における人口移動と“地域自治"の関連性の追究、の必要性などが強調された。
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