研究課題/領域番号 |
02301093
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三木谷 良一 神戸大学, 経済学部, 教授 (30030670)
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研究分担者 |
宇恵 勝也 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (10203423)
地主 敏樹 神戸大学, 経済学部, 助教授 (60171089)
山上 宏人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (00094524)
本多 佑三 神戸大学, 経営学部, 教授 (80137249)
石垣 健一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40047486)
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キーワード | 金融システム / 金融革新 / 金融制度改革(自由化) / 国際比較 / 金融政策 / 金融市場統合化 |
研究概要 |
それぞれ分担の研究課題について下記のように研究集会をもった。1990年8月2・3日(報告者:地主他7名)、9月8日(研究プロジェクト全体の打合せ会議)、9月29日(報告者:宇恵他1名)、12月1日(報告者:石垣他2名)、91年1月11日(報告者:三木谷他1名)と計5回。常に10名以上の出席。準備の小集会も何回かもった。研究集会では各人分担の各国の金融制度の現状及び改革方向についての調査研究内容を報告・比較して、各自の担当国以外についてもお互いに理解を深め、かつ今後の理論・計量的分析のデザインに役立てることを主目的とした。これらの研究集会での報告の議論を踏まえて、別記の論文が既に公刊され、また今後他にも順次公刊される予定である。現在の時点で明かとなった諸点を列挙する。(1)諸国の金融機関の寡占度の高さが国内市場では高いこと(米国はやや例外)。(2)日本以外の諸国では、個人住宅建設の金融を主業務とする庶民金融機関が発達してきており、持家普及に貢献してきた点。(3)ユニヴァ-サル銀行制度の下でも、全金融機関がユニヴァ-サルな業務を実際には行っているのではなく、比較的狭い業務分野に特化した金融機関も存在し得ること。(4)諸国の金融制度改革は例外なく、業際の垣根を低め解消する方向へ動いているが、その理由は決して一様ではないこと。(5)証券取引手数料自由化後の大口・小口の差別化に観察されるように、自由化が一般市民にとって必ずしもプラスとならないこと。(6)サ-ビス貿易面での公平な競争を図る目的で、先進諸国間での金融規制の統一についての協調の要請が一層高まりつつあること。現在21世紀に向けての金融・銀行制度の改革が先進主要国で同時進行中であり、現実はまだ流動的に推移しているが、かかる時期にこそ客観性のある理論的研究が重要であることが共同研究を通じてますますその認識が深くなった。
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