研究課題/領域番号 |
02303002
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 博 京都大学, 工学部, 教授 (40026068)
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研究分担者 |
山下 晃一 基礎化学研究所, 研究員 (40175659)
榊 茂好 熊本大学, 工学部, 教授 (20094013)
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
土屋 荘次 東京大学, 教養学部, 教授 (40012322)
笛野 高之 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029387)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 化学反応理論 / 分子軌道法 / ポテンシャル面 / 遷移状態構造 / 反応動力学 / 溶媒効果 / 遷移金属化合物 / 高分子 |
研究概要 |
本研究では、電子構造の設計と反応制御の理論の構築をめざして4つの主要な課題について研究を行い、多くの新しい知見を得た。研究実績の概要は以下の通りである。 1.素反応過程の理論計算と実験の予測について、精緻な非経験的分子軌道計算によって化学反応ポテンシャルエネルギー曲面を求め、種々のラジカル種と酸素分子との反応の動力学的機構の解明、振動励起イオンと分子との反応に関する断熱チャネルモデルの提唱、遷移状態と高振動励起分子と動力学とスペクトロスコピーに関する理論解析などを行うとともに、化学反応遷移中間体を分光学的に捉らえて、理論計算の結果と対応させる研究を行った。 2.有機反応の電子機構と高選択的合成ルートの探索をめざして、環状付加反応を副次的軌道相互作用により制御する試み、高周期14族典型元素を含む不飽和化合物の電子構造の理論計算、小員環を有する分子のひずみをジエミナル結合間のシグマ電子の非局在化によって評価する試みなどについて研究を行った。 3.遷移金属錯体の電子構造と反応について、二酸化炭素を遷元する遷移金属錯体触媒の設計、ロジウム錯体による炭素-水素結合、ケイ素-水素結合の活性化、ジルコニウム錯体によるオレフィン重合の領域選択性と立体選択性の制御、金属および金属化合物の電子状態と反応に関する精密計算、f軌道の関与する系の反応設計などについて研究を行った。 4.高分子の電子構造と反応を制御することを目的として,周期性をもたない重合体の電子構造を計算する方法、反応に対する溶媒の効果をとり入れた分子動力学法、分子動力学法に必要な新しいポテンシャル関数などについて研究を行い、方法論の新しい展開をみた。
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