研究課題/領域番号 |
02304012
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 誠 北海道大学, 理学部, 教授 (60000824)
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研究分担者 |
長谷川 美行 新潟大学, 教養部, 教授 (80018572)
柳田 寿一 九州大学, 理学部, 教授 (70037183)
猪郷 久義 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20015572)
小沢 智生 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80037233)
沖村 雄二 広島大学, 理学部, 教授 (60033825)
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キーワード | システム境界 / 生層序 / 古生代 / 古生物学 / 堆積学 / 環境変動 / フズリナ類 |
研究概要 |
今年度においては、総研独自の研究集会は行なわなかった。分担者、協力者は、京都で開催された第29回万国地質学会において研究発表し、地質見学会の案内をつとめた。この機会に国際地質科学連合(IUGS)のペルム系層位小委員会(SPS)が開かれ、総研メンバー多数が出席した。そこでは世界的な石炭-ペルム系境界として、ウラルを模式地とし、フズリナのSphaerdschwagerina vulgaris-fusiforms帯の下帯をもってするという意見が大勢を占めた、我が国の研究でも、この層準を広くトレースすることは可能である。ただ、わが国独自の研究からは、石炭-ペルム系境界の策定にあたって合理的な基準は、未だ得られていない。塊状石灰岩中に物理的境界を設定することは難かしく、今のところ生層序以外のメルクマルはないのである。何らかのイベントを想定することは今のところ出来ていない。生層序の方からみて、従来とられていたinflated schwagerinidの出現を重視するやり方が疑問となったのは一つの前進であった。生層序認定の基礎となる系統分類の攻究は、一層高いレベルで進められる必要がある。一方、地球化学と、石灰岩岩石学の方面からは、Triticites帯などにおいて土壌形成に伴うと考えられる黒褐色sparrycalciteのバンド・パッチが認められ、石灰岩堆積のエネルギー環境に高低のくり返しのみられることと併せて、海水準変動をトレース出来る可能性が開けてきた。古地磁気学的検討には進歩はなかった。フズリナ以外のタフサについては、産出状況の検討がすすめられている。なお、以上は石灰岩相についてであるが、チャート相についてはコノドント、放散虫による生層序の検討がすすみ、地球化学、堆積学的に研究されており、将来境界問題に関連して有力な資料を日本側から提出できる可能性がある。外地での研究も併せ、以上の成果は、260頁の最終報告書としてとりまとめた。
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