研究課題
1、政策科学振興の諸課題政策科学は、1960年代の米国に発祥の源をたどることができ、より有効な政策案の策定とより有効な政策形成過程の改善に資する目的をもって発展し、我が国においても政治や行政をめぐる環境条件の変化、それから生じる複雑な社会問題を積極的に解決していくために、大学院修士課程レベルでの教育研究が発達をとげた。しかし、社会の複雑・高度化は更に進み、解決困難な諸政策課題をかかえている我が国において政策形成を支援する学問体系の高次化が求められるに至った。このため、当研究においては、博士課程レベルの教育を行いうる新しい方式の研究体制の在り方を中心に作業を進れた結果、(1)我が国のこれまでの教育訓練の特色であるオンザブョブ・トレ-ニングは有効であるが、これからは相当高度なレベルまでフォ-マルな教育を進めないと、期待される水準に到達することが困難であること、(2)政策形成にあたる行政官には、国際化時代の中で、博士の学位が必要であること等の、今後考慮すべき課題が明らかになった。今後、これらの要請を満たすべき新しい方式の教育研究機関の在り方を、更に具体的に研究していく予定である。2、外国における政策研究機関の実際前年度は、主として制度・目的に関して調査を進めたが、今年度は、大学院におけるカリキュラムに着目し、米国における代表的な政策科学大学院プログラム、すなわちハ-バ-ド大学ケネディ・スク-ル、プリンストン大学ウッドロ-・ウィルソン・スク-ルおよびランド政策科学大学院について、詳細な調査した。
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