研究分担者 |
冨田 康光 大阪大学, 工学部, 教授 (30029251)
藤田 正憲 大阪大学, 工学部, 教授 (70029289)
大倉 一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (10127194)
松井 繁之 大阪大学, 工学部, 教授 (70029271)
西村 宣男 大阪大学, 工学部, 教授 (70029156)
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研究概要 |
本研究は種々の環境下における構造物の劣化機構を明らかにし,その耐久性向上のための設計手法を確立しようとするものである。昨年度の環境の分析,構造物の劣化現象の分析から,本年度は各種応力を受けた部材の環境促進実験を行い,無負荷部材の基本劣化速度との違いを調べた。また,構造物の塗装耐久性・効果に関する促進実験も実施した。さらに,腐食鋼板の耐荷力の低下の解析,水環境下における橋梁支承の損傷機構について基礎的疲労実験を行った。以下に主な成果を列挙する。 1.鋼部材には塗装は一般的であるが,塗膜の劣化は溶接部位が最も速く発生することを実験的に明らかにした。溶接による残留応力,材質変化,溶接部の粗な形状,ならびに,ショッププライマ-の後処理に原因している。製品ブラストをかけることは非常に効果がある。 2.鋼材の角は塗装が薄くなりがちであり,面取りを行うことによって一定厚の塗膜が確保でき効果的である。 3.塗装として,本四公団仕様は非常に優れた耐久性を示す。 4.光環境・通常環境・海洋環境における塗装の劣化速度,機構について差違を明らかにし,促進率について基礎デ-タが得られた。 5.コンクリ-ト部材における塩分浸透速度と内部鉄筋の腐食率との関係について基礎デ-タが収集できた。 6.荷重によってひびわれを発生すると内部鉄筋の腐食速度は大幅に速くなる。また,各種既存のコ-ティング材は鉄筋防食に大変効果的であり,耐久性向上は著しい。 7.斜張橋ケ-ブルは外部から水・酸素の供給がなくとも,温度の繰返しのみで腐食することを実証した。モルタル中の水・空隙が原因する。 8.橋梁支承の沈下損傷は水環境下にある充填モルタルの疲労であるとの実証疲労実験デ-タを収集した。
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