研究課題/領域番号 |
02404045
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
丸岡 雄二 九州大学, 医学部, 助手 (10190563)
|
研究分担者 |
小柳 左門 九州大学, 医学部, 講師 (90128017)
友池 仁暢 九州大学, 医学部, 助教授 (90112333)
金出 英夫 九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
竹下 彰 九州大学, 医学部, 教授 (30038814)
中村 元臣 中村学園大学, 大学院栄養科学研究科, 教授 (60037322)
|
キーワード | 冠動脈攣縮 / 心筋虚血 / Ca^<2+>ーカイネティックス / Ca^<2+>チャネル / 動脈硬化 / 血管内皮細胞依存性弛緩 |
研究概要 |
1.冠血管の過剰収縮反応性の経時変化と収縮反応修飾因子の解析:ミニ豚左冠動脈内膜をバル-ンカテ-テルで傷害すると同部の血管壁は自発的に収縮し5分後には58%の内腔狭窄が生じた。この現象は血小板機能を抑制すると半減することから、傷害内膜に血小板が付着し、セロトニンを遊離する結果生じた収縮と考えられる。傷害30分後から同部はセロトニンを冠動脈内に注入すると過剰に収縮し、80%以上の狭窄が生じた。この現象は1週間後にも認めたが、1カ月後には消失した。血管反応性の経時変化は内膜肥厚の消長と符合していた。 内膜剥離部にX線照射を加えるとセロトニンに対する傷害部冠血管の反応性が異常に亢進した。X線照射単独でも血管壁の過剰収縮反応性が出現するかをゲッチンゲン種ミニ豚で検討した。すなわち、前下行枝もしくは回旋枝に限局して1500rad照射したところ1週間後から過剰収縮反応が照射部に出現した。このような収縮反応性の亢進は血液がアルカロ-シスになると更に増強した。 2.冠攣縮と内皮細胞依存性弛緩反応の関係:冠攣縮を生じる血管で内皮細胞依存性弛緩作用の減弱を認めた。動脈硬化血管に一般に認められる現象であるので、WHHL家兎を用い以下の2点について検討した。 (1)内皮細胞依存性弛緩物質(EDRF)の産生が低いのか、(2)産生は正常でも中膜平滑筋層に到達するまでに過酸化物やラジカルによって失活するのか。EDRFの遊離は粥腫の表面積に反比例して減少し、粥腫直下の平滑筋をSODで処置するとEDRFによる弛緩が改善した。すなわち、遊離されたEDRFが動脈硬化のある中膜で失活していることが明らかになった。 3.中膜平滑筋のセロトニンやヒスタミンに関連するCa^<2+>代謝、細胞膜イオンチャネル、GTP結合蛋白やCーキナ-ゼ等の細胞内情報伝達系についても解析した。
|