研究課題/領域番号 |
02452019
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 和茂 東北大学, 教養部, 助教授 (20125652)
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研究分担者 |
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
寺沢 辰生 東北大学, 理学部, 助手 (40004436)
須田 利美 東北大学, 教養部, 助手 (30202138)
宮瀬 晴久 東北大学, 教養部, 助教授 (40005822)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | Koon / Photon / Puasitree / Strangeness / Tagging |
研究概要 |
本年度は、東京大学原子核研究所(核研)電子シンクロトロン(ES)において本実験およびその解析をおこなった。平成2年度に行ったテスト実験の結果、希有現象であるK^+中間子事象を陽子事象から明確に識別するために、トリガー系の高速化および運動量分解能の向上が本実験の課題として残されていた。前者については、光電子増倍管の交換および検出器の再配置で解決した。後者については、新たなトラッキングデバイスとしてシリコンストリップ検出器(SSD)の開発導入を行った。SSDはトラッキング分解能として1mmのものを選択し、TAGXドリフトチェンバーと併用することにより運動量分解能をDp/p=6%を達成した。測定は、1.2GeV電子線を0.7-1.1GeVの標識付光子を用いて約1200時間行った。測定領域は、トリガー事象については10-40度、2次事象については、-40-60度の角度領域であり、運動量領域は、0.2-1.2GeV/cである。K^+中間子の同定はTAGXドリフトチェンバ-+SSDシステムの解析から得られる荷電粒子運動量と、トリガー検出器の時間情報から得られる飛行時間を用いておこなった。その結果K^+中間子事象に対する陽子事象の混入率を5%以下にすることが出来た。現在の解析段階でのK^+中間子準自由生成断面積は、知られている素過程のものに比較すると、約3.5倍程度である。また原子核全体に反跳エネルギー与えなくてはこの反応が起こらない領域にもハイパー核生成断面積が存在するように見える結果になっている。K^+中間子の原子核内での平均自由行程を考慮すれば、核物質内でのK^+中間子生成機構が素過程とは異なっていないことを示唆していると考えられる。
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