研究課題/領域番号 |
02453070
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
|
研究分担者 |
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (50137238)
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081315)
|
キーワード | 超伝導 / 超急冷ガラス / 融液凝固法 / ビスマス系高温超伝導体 / 臨界温度 / 添加物効果 / 部分溶融 / 結晶化 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の合成には、これまで主として固相反応法が用いられてきたが、固相反応は反応時間、生成物の均質性、成形性などの点で問題があり、これにかわる液相からの合成プロセスの検討が進められている。本研究では、液相応反を利用して種々の形態の超伝導体を作製するための最適プロセスの確立を目的としており、本年度は以下のような成果を得た。 1. BiーPbーCaーSrーCuーO系超急冷ガラスの結晶化過程について、温度、時間を変化させて熱処理することにより詳しく検討し、TーTーTダイヤグラムを作成した。いわうる110K相の生成には、成分の一部が融解する部分溶融状態の実現が重要であり、この際の液相の主成分がCa_2PbO_4とCuOであることを見いだした。部分溶融の起こる温度においては、固相として存在する80K相とこのような液相との固ー液反応により110K相が生成するものと結論できた。 2. BiーPbーCaーSrーCuーO系にさらに種々の金属酸化物を少量添加した超急冷ガラスを作製し、添加物と超伝導特性の関係を調べた。どの添加物の場合も、最も高いTcをもたらす最適熱処理温度Toptが存在し、この温度で熱処理すれば、いずれの場合も105K以上のTc(zero)を示すことがわかった。Toptは部分溶融の起こる温度とほぼ一致しており、少量加えた添加物は、部分溶融温度を変化させることによりToptに影響を与えていることが明らかになった。 3. 融液凝固法によるBiーPbーCaーSrーCuーO系厚膜を作製する際の組成に関して、In、Mo、Nb、Sb、Sn、V、W等の添加効果を検討した。このような添加物は、110K用生成のための部分溶融温度を引き下げ、その結果として最適熱処理温度Toptを引き下げることを明らかにした。
|