研究課題/領域番号 |
02453156
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 忠史 大阪大学, 工学部, 教授 (70201845)
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研究分担者 |
三宅 千枝 大阪大学, 工学部, 教授 (70028976)
江間 喜美子 大阪大学, 工学部, 助手 (10029168)
西沢 嘉寿成 大阪大学, 工学部, 助手 (50029089)
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キーワード | クラウンエ-テル / リチウム同位体 / 液膜法 / ジルコニウム / ハフニウム |
研究概要 |
1.クラウンエ-テルを液ー液抽出法に適用し、リチウム同位体の分離能を検討した。各種リチウム塩水溶液は、そこからクラウンエ-テルで抽出した場合、同位体分離係数がその濃度の影響を大きく受けることが明らかなった。すなわち、検討したすべてのリチウム塩(塩化物、しゅう化物、よう化物、水酸化物)について、濃度の低いところと高いところで比較的高い分離係数を示し、中間の濃度で極小値をもつ。この同位体分離係数の変動が水溶液の構造変化によることを溶液化学的に明らかにした。 2.液膜法により、リチウム同位体を大きい分離係数で連続的に濃縮できることを明らかにした。1.に示した結果から、クラウンエ-テルを用いた液膜系で、供給相と受容相の濃度を調整することにより、同位体分離係数を大幅に増大させることが可能になった。しかも、連続分離が可能であるから同位体の大量濃縮が可能である。 3.クラウンエ-テルにより、ジルコニウム/ハフニウムの分離が可能であることを明らかにした。ジルコニウムとハフニウムは天然には必ず共存している。そして、その化学的性質が似ているから分離が困難なものとされている。しかし、これらを原子炉材料として用いる場合には、完全に分離されたものでなくてはならない。この研究でクラウンエ-テルが有効な分離剤であることを確認した。
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