研究課題/領域番号 |
02454226
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大菅 俊明 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (20010481)
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研究分担者 |
松崎 靖司 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50209532)
田中 直見 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60111530)
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キーワード | 胆石症 / コレステロ-ル / 胆汁酸 / HMGーCoAレダクタ-ゼ / コレステロ-ル7αーヒドロキシラ-ゼ / ガスクロマトグラフィ-・マススペクトロメトリ- |
研究概要 |
コレステロ-ル過飽和の異常胆汁の生成という観点から胆石症の成因を解明するための第一段階としては、肝におけるコレステロ-ル、胆汁酸代謝に係わる2つの律速酵素であるHMGーCoAレダクタ-ゼおよびコレステロ-ル7αーヒドロキシラ-ゼの活性をヒトで正確に測定することが必要不可欠である。そこで本年度は、これらの酵素活性の測定法の開発に重点を置いた。 これまでにも、ラジオアイソト-プまたはHPLCを用いてこれらの酵素をそれぞれ独立に測定する方法はあったが、先天的にこれらの酵素活性が他の実験動物より低く、しかも通常極微量のサンプルしか得られないヒトに応用するには感度が不十分であった。今回我々が開発した高分解能ガスクロマトグラフィ-・マススペクトロメトリ-を用いた測定方法は、HMGーd_3ーCoAと内因性コレステロ-ルを基質とし、メバロノラクトンーd_7と7αーヒドロキシコレステロ-ルーd_7を内部標準物質として用い、さらに前処理としては、これまでの液ー液抽出を廃止し、固相抽出法のみを使用した。それによって両酵素活性を、同一の生体試料を用いて、高い信頼性の下で、高感度測定することが可能となった。 現在、コレステロ-ル胆石症患者から得られた肝生検標本を用いて、本方法による活性測定を行なうと共に、これらの酵素活性に影響を与えると考えられている胆汁酸、コレステロ-ルの肝組織内濃度も同時に測定している。今後はさらに、胆石症におけるコレステロ-ル7αーヒドロキシラ-ゼ活性調節蛋白の機能を正常者と比較し、胆石症の細胞レベルでの病態の解明を行ないたいと考えている。
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