研究課題/領域番号 |
02455011
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
坂田 忠良 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40013510)
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研究分担者 |
工藤 昭彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究所, 助手 (60221222)
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キーワード | エレクトロルミネッセンス / アルミニウム電極 / 金属イオン / 半導体微粒子 / 電解発光 / 発光メカニズム |
研究概要 |
シュウ酸、硫酸などの水溶液中で、アルミニウム電極をアノ-ド酸化すると、表面に酸化皮膜が生じ、その際に電極から青白い発光が観察される。このエレクトロルミネッセンス(EL)は、1898年ドイツのF.Brawnによって報告されて以来、よく知られている。しかし、このメカニズムの解明や、発光素子としての実用化には、いまだ多くの疑問点や問題点がある。本年度の研究では、アノ-ド酸化により生成させた多孔質のアルミニウム酸化皮膜を、金属イオンや半導体で修飾する事を試みた。そして、そのような修飾型のアルミニウム酸化皮膜から、ELが生じるかどうかの実験を行い、そのメカニズムについて研究を行った。種々の金属イオン(Cu^<2+>イオンやCe^<4+>イオン)や半導体微粒子(粒径10nmのCdSやZnS)で修飾された多孔質アルミニウム酸化皮膜からは、修飾物のイオンや半導体の励起に基づくと考えられるELが観測された。例えば、ZnS微粒子を担持した電極からは400nm付近に極大を持つようなELが観測された。これは、ZnSのフォトルミネッセンス(PL)による発光スペクトルとよく一致した。また、Cu^<2+>やCe^<4+>を担持したアルミニウム酸化皮膜からも、それぞれ、Cu^<2+>やCe^<4+>の励起に基づくと思われる発光が観測された。これらの結果から、修飾型アルミニウム酸化皮膜からのELのメカニズムについて考察を行い、発光メカニズムに対する合理的なモデルを得ることが出来た。
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