研究課題/領域番号 |
02551002
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
深田 芳郎 帝京大学, 文学部, 教授 (50199163)
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研究分担者 |
佐藤 隆夫 NTT, 基礎研究所, 主幹研究員
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
山本 豊 帝京大学, 文学部, 助教授 (40134423)
河内 十郎 東京大学, 教養学部, 教授 (30083710)
鹿取 廣人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
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キーワード | 視覚刺激装置 / 反応追随型ディスプレイ / 図形認知 / 図形探索 / 幾何学的錯視 / 表情認知 / 視野制限シミュレ-ション |
研究概要 |
本研究は、視覚刺激に対する生体側の反応に即応して刺激を意図的に変容させることにより、認知行動の解析を可能とする刺激システムの開発を目指するもので、前年度に続きシステムの整備、評価をおこなった。 1.注視点周辺の限定された視野での図形認知課題に応用するため、パ-ソナルコンピュ-タに注視点座標測定用の入力部を設けて注視点付近の領域のみ観察可能とする実験事態では、注視点座標の測定精度が十分でないという理由で満足すべき結果が得られなかった。このため注視点測定精度を向上させることと、注視点の移動に即応して図形を呈示することとにシステム開発の課題を分離し、前者については顔面の固定法、注視点位置校正プログラムの改良をおこない、後者については手指の二次元座標を取り込むポインティング装置としてデジタイザ及びマウスを用い手で指示した座標周辺の限られた範囲(窓)内のみ画像を見ることができる、視野制限のシミュレ-ション実験により評価、改良を試みた。この結果、図形探索課題に適用するのに十分な追随速度が得られた。 2.知覚実験への応用として幾何学的錯視実験を試みた。ミュラ-・リヤ-錯視図形の全体呈示と部分呈示とで、部分呈示には観察窓が一定の大きさと速度で移動する受動的観察事態と被験者がマウスを操作して能動的に観察する事態を設定して実験をおこなったが、部分呈示に於いても錯視が生じることがわかった。能動事態と受動動事態の相違については検討中である。 3.顔面表情の認知において眼・眉・口等の部分が表情認知にどれだけ寄与するか、被験者が顔のどの部分をまず見るかという問題についての実験にも適用を試みた。 今後、認知の発達的研究、認知機能障害の診断、訓練等に適用できるようシステムを発展させる予定である。
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