研究分担者 |
梅村 雅之 国立天文台, 理論天文学研究系, 助手 (70183754)
岡村 定矩 東京大学, 理学部, 教授 (20114423)
家 正則 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (30111446)
沖田 喜一 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (60204096)
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研究概要 |
第一段階としてモザイクCCDを設計するための基礎的な実験を行った。これには(1)低温での電子部品の動作テスト,(2)温度サイクルに耐え得る接着剤(導電性及び紫外硬化)の選定・テスト,(3)モザイク取付け基盤用に使うセラミック材量の温度サイクルテスト等が含まれる。これらのテストをふまえて,CCDデュワ-に使用できる接着剤・材量が決定し,実際に使用するデュワ-の設計を行った。CCDチップを取り付けるためには精密なXYステ-ジと顕微鏡が必要だが,これは写真乾板の側定に使用されていものを改造し,使用した。さらにXY位置の読出し精度を改善するために最新のレ-ザ-スケ-ルを取り付けた。CCDチップを微小に移動させるためのマニュピレ-タを小型のXYステ-ジ・回転スケ-ジで自作し,テストのためICを取り付けてみた。これによって得られた位置精度は最悪で±5μmであった。さらに赤外線観測に使用されていた大型デュワ-を使用し,モザイク基盤を冷却した時の温度の一様性をテストした。基盤上の温度差は通常1度以内,10Wの熱を片側から投入した場合でも5度で,非常に一様である事がわかった。8ケのCCDを並列に読み出す回路を設計し,基板化してテストし,うまり動く事がわかった。アナログ部分のノイズも十分無視できる事がわかった。他に,CCDデュワ-のマド材として化学強化したガラスが十分な強度を持っている事がわかった。 大型のモザイクCCDを作るノウハウはいままで未知であったが、この年度の基礎実験でほとんどすべての問題点が解決し,ノウハウを修得することが出来た。これをふまえて現在,実際に観測に使用できる8000×2000画素のモザイクCCDカメラの製作が行われている。主要な部品はそろい,各部の組立を行っている。平成3年夏期より実際の観測を行い,天文学的成果が出てくると思われる。
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