研究分担者 |
岩上 辰男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50015567)
伊藤 史朗 広島大学, 総合科学部, 助教授 (60033932)
阿賀岡 芳夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50192894)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
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研究概要 |
1.射影部分多様体の理論と超幾何微分方程式・・・射影空間P^N内の部分多様体M^nの同値問題は、これまで、(1)n=1,(2)n=2,N=3,(3)N=n+1のとき詳しく扱われてきた。佐々木はN=n(n+1)/2-1の場合の同値問題を初めて明らかにした。同様な手法でn=2,N=4の場合も扱うことができることを示した。一方、超幾何関数の特殊値を知るにはパラメ-タ-についての連接関係が重要である。この観点から超幾何微分方程式E(k,n)の連接関係のLie環的構造を明らかにし、更に、E(3,6)については具体的に示した。この結果を応用することによって、Appellの超幾何関数F_3およびGoursatの一般超幾何関数 _3F_2の連接関係をすべて求めた。 2.ベッポ・レビィ関数などの境界値について・・・ベッポーレビィ関数にたいして、球面に沿っての極限値の存在について調べた。水田によって与えられたベッポーレビィ関数の積分表示と、容量の性質が基本的かつ重要な役割を果たしている。また、nー細連続関数について同様な極限値の存在について調べた。更にnー細連続関数が連続となるための精密な条件を与えた。これはソボレフの埋蔵理論の一つの発展にもなっているものである。 3.幾何構造について・・・n次元Riemann多様体MがEuclid空間に局所的に等長な埋め込めるための曲率に関する条件を新たに見つけ出し、さらにそれを対称空間に応用した。例えば、Cl型対称空間Sp(m)/SU(m)の場合、標準的な埋め込みが次元に関して最良の埋め込みであることを示し、更にcompact Lie群Gは一般に余次元3/4・dim Gでは埋め込めないことを証明した。 4.代数的構造について・・・局所環の極大イデアルの属する準素イデアルの巾の整閉包で導かれるヒルベルト多項式の係数について研究した。環の次元が大きいときは最高次の係数以外は今まで手づかずの対象であったが、新しい手法を導入し、他の係数についての考察を可能にしたものである。
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