研究課題/領域番号 |
02640145
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
渡利 千波 東北学院大学, 教養学部, 教授 (80004274)
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研究分担者 |
中川 清和 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (80128884)
関口 健 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30004485)
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キーワード | ブ-ル代数 / 2進群 / マ-チンゲ-ル / 荷重ノルム不等式 / 高木関数 |
研究概要 |
ブ-ル代数は加法に注目するといわゆる2進群になる。その上でのフ-リエ解析がWalsh Fourier解析であるが、Walsh Fourier級数の2^n次の部分和が典型的なマ-チンゲ-ルをなしていることから、マ-チンゲ-ル論に恰好のモデルを提供する。この立場から級数の収束を見直すことができることは、すでに数学会(1990年秋)で発表した。 代表者渡利および分担者関口はこの観点に立ってマ-チンゲ-ル論を研究し、代表者渡利は自己が1975年に提出し、その後風巻・和泉沢・関口・Meyerおよびその学派による大きな理論を生む端緒となったマ-チンゲ-ルに関する荷重ノルム不等式の最初の問題を解決した。この結果はToyama Math.Seninar Reportsに発表予定である。また渡利は、無限直積測度の絶対連続性に関連して1988年佐藤坦(九州大学)の予想した積分不等式に簡単な証明を与えた。これは東北学院大学論集第100号に発表予定である。 分担者関口は、秋田大学の塩田と協力してフラクタルを研究し、微分不可能な連続関数である「高木関数」に関する畑ー山口の結果の拡張を得て、Japan Journal of Industrial and Applied Math.に発表予定である。 分担者中川は数値解析および偏微分方程式について研究し、若干の成果を得たが、まだ発表の段階ではない。この研究は来年度まで継続するので、将来に向けた展望も必要であろう。直接には研究課題であるブ-ル代数上のフ-リエ解析について講義録のようなものを作る計画であるが、この研究の過程で代表者渡利はブ-ル代数の応用について、誇大妄想とも思われる予想を抱くにいたっている。次年度以降に構想が固まれば、「萌芽的研究」として研究費を申請することになるかもしれない。
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