研究課題/領域番号 |
02650333
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川村 満紀 金沢大学, 工学部, 教授 (20019730)
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研究分担者 |
五十嵐 心一 金沢大学, 工学部, 助手 (50168100)
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 助教授 (50115250)
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キーワード | アルカリ・シリカ反応 / 屋外および海岸暴露試験 / 塩化物の影響 / 膨張挙動 / ひびわれの解析 / 細孔溶液の組成 |
研究概要 |
本年度において実施された研究は、自然環境下に暴露したコンクリ-ト供試体に発生したひびわれの解析および膨張挙動に関するものとNacl溶液に浸漬したオパ-ル含有モルタルの膨張挙動と細孔溶液の組成に関するものである。 前者において得られた研究成果をまとめると次のようである。 1. 建物の屋上におよび海岸における暴露供試体の膨張は夏期において活発に進行する。 2. 屋上に暴露した1面を被覆していない立方供試体の膨張量は海岸に暴露したものよりも大きい。 3. 自然環境下に暴露されたコンクリ-ト供試体においては、アルカリ・シリカ反応による膨張・湿潤・乾燥の繰り返しや温度の変動の複合作用により発生する応力によってまずひびわれが発生し、その後膨張が進行する。一方、湿気槽中に置かれた供試体では、膨張量が0.30〜0.45%に達するとひびわれが発生する。 後者の研究における主な成果は次のようである。 アルカリ・シリカ反応による膨張量が最大となるペシマムのアルカリ/シリカ比は、NaCl溶液に浸漬中に時間とともにアルカリ/シリカ比の小さい方に移行する。NaCl溶液中において非常に大きな膨張が生ずるときのモルタルのアルカリ/シリカ比と全く膨張を示さないときのそれとの差は極めて小さい。実際のコンクリ-ト構造では、たとえ低アルカリセメントを使用しても、その反応性骨材に対する最も危険なアルカリ/シリカ比に相当する条件が成立すれば、激変的にアルカリ・シリカ反応による膨張が発生すると考えられる。
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