緊急警告音を1)消防自動車、2)パトカ-、3)救急車の3つの音とし、コンピュ-タを用いてシミュレ-ションを行った。 このシステムは参照信号を前もって推定し、それをシステムに登録しておく。そして到来してきた音をシステムに取り込み、それを分析し、結果を参照信号と比較して、その到来信号が緊急警告音であるか否かを判断する。そして緊急警告音であると判断されれば、導入スイッチを動作させて取り込むものである。 このシステムで重要な点は、2つある。第一は参照信号の決定である。現行ではブェルヒの方法により電力スペクトルを推定して参照信号としている。理論的にはこの推定値は真のスペクトルであるが、推定に用いた信号の諸条件で必ずしも最適なものが得られない場合がある。第二に判定の方法である。現行では参照信号と分析された結果の相関係数を計算し、その結果があらかじめ決められた値より大きければ、緊急警告音であるとしている。 今回のシュミレ-ションでは3つの音はCDに録音されたものを用いた。推定された参照信号は3つともそれぞれ違ったスペクトル構造を示した。推定された結果をよく観察し、最適と思われるものを参照信号に決定し、それをシステムに登録した。到来信号もCDの音を用いた。 結果、到来信号が参照信号と同一のものであれは、分析の早い段階で相関係数が高くなった。参照信号が異種の場合は相関係数はほとんど0に近く、相関係数を判断の一方法として採用することの妥当性が見いだされた。また到来信号に雑音が付加された場合についても行ったが、同様な結果が得られた。
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