1.広島市庚午南住宅の居住者調査の結果概要 (1)戸建的集合住宅の必要性に関する結果 イ)調査住民の約8割の人が集合住宅が戸建性を考慮して計画されることに対して賛同している。 (2)戸建感の認識に関する結果 イ)戸建感は、居住者にとって大切にされている住意識要素の一つとみられる。 ロ)前住宅の建物形式により戸建的集合住宅としての認識が異なるものとみられる。一戸建・低層集合住宅が前住宅であった者は、余りよい認識・印象を持っておらず、高層集合住宅が前住宅であった者は、良い印象を持っている。 ハ)アクセス形式・外観面からみると、3階の住戸に最も戸建感が感じられるように予測されたが、居住者の意見は、むしろ2階の方が入居後戸建感を感じたという結果であった。戸建感の外観(外面)性と内面性(共に後述)のバランスが関わっているものとみられる。 (3)戸建感を感じる要素に関する結果 イ)極めて多様な要素が指摘されたが、居住者は、玄関、外部専用階段、セットバックなどの要素に戸建感を強く感じるものとみられる。これら建物の外面的要素の他に、居住してみての住戸平面の良さ、各種の生活騒音のなさなどの生活上の内面的要素も指摘されている。 ロ)前住宅の建物形式により戸建感を感じる要素に相違がみられた。 ハ)戸出感醸成の観点よりみると、集合住宅の計画上、外面・内面両側画のバランスが重要といえる。 2.追加調査として、広島基町高層住宅ファサ-ドに対する視知覚的把握の学生実験を行い、外面よりみた一住戸の把握の形態的特徴を得た。
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