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1990 年度 実績報告書

急性無石胆嚢炎の発生機序の研究ー特に微小循環障害とフリ-ラジカル並びにプロスタグランディンの関与について

研究課題

研究課題/領域番号 02670574
研究機関三重大学

研究代表者

小倉 嘉文  三重大学, 医学部, 講師 (00126963)

キーワード急性無石胆嚢炎 / 微小循環障害 / 虚血・再還流 / フリ-ラジカル / 膜結合性PLA_2 / 過酸化脂質 / SOD
研究概要

既に,われわれは雑種成犬を用いて,中肝動脈及び上腸間膜静脈を45分以上虚血,90分再還流させることにより,急性無石胆嚢炎を作成することに成功しているので,本年度は虚血及び再還流時間のいずれか一方を一定とし,他方を変化させて,虚血並びに再還流による胆嚢粘膜障害の程度を経時的に肉眼的及び組織学的に検索するとともに,生化学的にも検索した.即ち,実験群として,I群:中肝動脈(MA)及び上腸間膜静脈(SMV)遮断のみ,II群:MAとSMVの遮断時間は一定として,その後の再還流時間を変化させる,III群:MAとSMVの遮断時間を変化させ,再還流時間を一定とする.
これら3実験群の実験終了後,直ちに犠牲剖検して,胆嚢の肉眼的,組織学的検索を行うとともに,各群における胆嚢粘膜中のPLA_2活性や過酸化脂質量及びSOD活性を測定した.
虚血のみでは胆嚢炎の発生はなく,虚血時間の延長に伴ってPLA_2活性や過酸化脂質量は増加したが,SOD活性は24時間以降は低下した.虚血ー再還流では,再還流時間を90分とし虚血時間を変化させると,虚血時間が延長するに従って,炎症面積は増大し,PLA_2活性や過酸化脂質量は増加したが,SOD活性は虚血時間30分で最も高値を示した後,45分では一旦低下し,さらに虚血時間を延長すると再び増加した.虚血時間を45分とし,再還流時間を変化させると,炎症の深部への波及が増強し,PLA_2活性や過酸化脂質量およびSOD活性はいずれも増加傾向を示した.
以上,本年度の研究では雑種成犬に45分虚血ー90分再還流を行うことにより,最も効率的に急性無石胆嚢炎が作成されることを明らかにした.また,虚血ー再還流により惹起される微小循環障害の病態の上で,膜結合性PLA_2やfree radicalsあるいは過酸化脂質の重要性が指摘された.従って,次年度には45分虚血ー90分再還流の基本モデルを用いて,種々のradical scavengerやPLA_2阻害剤の投与を行って,胆嚢粘膜障害に対する抑制効果を検索する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 田岡 大樹: "胆道疾患とフリ-ラジカルー特に急性無石胆嚢炎の発生機序と関連して" 肝胆膵. 16. 255-262 (1988)

  • [文献書誌] 小倉 嘉文: "気腫性胆嚢炎" 肝胆膵. 18. 51-59 (1989)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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