研究課題/領域番号 |
02670723
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小寺 重行 東京慈恵会医科大学, 泌尿器科, 講師 (30119797)
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研究分担者 |
中条 洋 東京慈恵会医科大学, 泌尿器科, 助手 (70217735)
西田 篤 東京慈恵会医科大学, 泌尿器科, 助手 (60218162)
池本 庸 東京慈恵会医科大学, 泌尿器科, 講師 (40159645)
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キーワード | 精巣障害 / 造精能 / 乳酸脱水素酸素 |
研究概要 |
乳酸脱水素酵素(LDH)アイソエンザイムの1つであるLDHーXは精子及び成熟精巣にのみ特異的に存在するが、急性の実験的精巣障害でもこの酸素が血中に出現することが最近知られてきた。そこで血中のLDHーXの測定が精巣障害の指標として有用かどうかを検討した。 成熟雄ウィスタ-ラットを用い、4種の実験的精巣障害を作製した。即ち塩化カドミウム4g/kg 1回腹腔内投与、実験的両側精索捻転、dibutyl phthalate2.4mg/kg 1週間経口投与、実験的両側停留精巣の4群である。各群とも処置後1週間経時的に血中のLDHーX活性を酸素法にて測定し、精巣障害の組織像と併せて検討した。その結果塩化カドミウム群、実験的精索捻転群では処置前血中に認められなかったLDHーX活性が処置後2日目をピ-クに血中で証明され、dibutyl phthalate投与群、停留精巣群では処置後経時的に上昇傾向を示していることが証明された。このことは精子精巣内にしか本来存在しない酵素が組織障害と共に体液中に移行し、免疫学的に非自己な環境にさらされることを意味するものと思われる。 以上より急性及び悪急性の実験的精巣障害では血中LDHーX活性の測定が精巣障害のマ-カ-として信頼に足るものであることが証明された。さらに従来精巣障害の診断のため行われていた精巣組織検査などの侵襲的検査を行わずとも、血中LDHーX活性測定により非侵襲的に精巣障害を診断しうる可能性が示唆された。
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