研究概要 |
暗順応下でも明順応下でも正確に広範囲の静的視野測定ができる様に,赤外線TVモニタ-による固視観察システム,単色光刺激システムなどを組み込み,市販の投影式の中型自動視野計を改造した。これを用いた正常者の結果からは,杆体系及び錐体系感度分布の特徴を示すプロファイルが得られた。また,杆体系及び錐体系の特徴的な感度分布がほぼ全視野にわたって測定可能であった。暗所下でのtwoーcolor perimetryが可能であり,その結果も正常者では理論どうりの値を示し,暗順応下でのphotoreceptor mediationも決定することができた。測定結果の表示も,既存のプログラムでは数字だけで非常にわかりにくいので,測定点以外の部位は補間法で表示するようにし,その結果もグレ-スケ-ル,線画法などで立体的に理解できるようにした。 これらの手法を用いれば,静的視野に異常をきたす眼疾患の機能解析に有用な情報な情報を与えると考え,網膜色素変性症,錐体ディストロフィ-などに応用した。その結果,網膜色素変性症では,Twoーcolor perimetryにより,2つのsubtypeに分類することに成功し,患者のカウンセリングに非常に有用であった。錐体ディストロフィ-では,電気生理学的には検出できなかった杆体系の機能障害が検出され,論義のある錐体ディストロフィ-,錐体一杆体ディストロフィ-の異同に有力な情報を与えると考えられた。
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