研究概要 |
論理型言語と関数型言語の総合化のために,論理型言語と関数型言語の統一的意味論を確立するのが本年度の目標であった.研究計画方法に示した,つぎの4つの目標について基本的な成果を得た. 1.論理プログラムに対するデ-タフロ-計算機構を確立すること: 論理プログラムの意味を完全に指示できるデ-タフロ-を等式プログラムとして与えた。 2.ユニフィケ-ション操作系としてのデ-タフロ-を定式化すること: デ-タフロ-等式プログラムを,論理プログラムの計算に特有のユニフィケ-ションの系列操作系に2通りの方法で拡張した.この等式プログラムの不動点は,論理プログラムの計算の解に密接に関連している. 3.関数プログラムを生成すること: ユニフィケ-ションの系列操作を指示する等式プログラムから関数プログラムを生成する方法を確立した.関数プログラムとしては,比較的簡単なクラスとして定式化されているFPプログラムを採用している. 4.非決定性デ-タフロ-の数学的性質: 以上の問題を定式化する時の問題として,論理プログラムが有する非決定性をデ-タフロ-上で表現する問題を,通信と論理との総合形式において扱った.デ-タフロ-では系列領域を用いて通信チャネルの意味を与えるので,関係を記述する論理式をデ-タフロ-で扱うには,意味領域構築の問題が内包されている.これに対する実際的な解決方法を与えている.
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