研究概要 |
1,表現過程の手の行動に関する情報収集 本年2つの調査研究を平行的に進め,基礎資料の記録方法の決定および評価表の第一次試案をえた。 (1)授業での手の行動パタ-ンの実態調査:小学校の学習課題である(1)粘土教材と(2)造形遊びの教材を対象としビデオ収録を開始した。当初ビデオカメラ1台での収録であったが,研究の進展とともに児童のパタ-ンを幅広く収録できない欠点から、記録方法をCCTV方式(4人分の記録を一画面に収録する方式)への改善を検討し,最終段階で実施した。 (2)医学の分類学の検討:医療での手の行動パタ-ンの分類法を検討した。まず、村田が鎌倉(東京都立医療短期大学教授)から研究法の実際と分類学の知識提供を受けた。(1)現在の分類は汎用の分類ではなく,対象領域に関する最適な分類方法を検討すべきである,(2)分析方法の応用は可能かも知れない等の知見を得た。12月鳴門教育大学で,異なるジャンルからの交流研究会を開催した。(講師:鎌倉,参加者:村田・松原・竹内,京都教育大学教授)討議主題は(1)手のアナログ的行動の単位を如何に抽出するか,(2)評価方法をどうするか(CCTV方式の是非)の2点であった。その結果,(1)行動単位は巨視的枠組みを策定すべきである,また(2)医学分類は日常レベルの行動を対象としており,芸術行動についての枠組みの拡大は多くのデ-タから探索的に解明すベきであるとの2見解に達し,CCTV方式の採用を決めた。 2.評価法の第一次試案の実施 上述の方針で行動分析表の試案を作成し,CCTV方式で表現過程を収録し分析した。その結果は,本年3月28日,第13回美術科教育学会で口頭発表後12月に論文発表の予定である。
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