研究概要 |
本年度は翼周りの気泡の挙動を明らかにするために,翼周りの気泡流にたする画像デ-タを収集しそのデ-タを基に画像処理ソフトウェア-の開発を主として行った。デ-タの収集に当たっては低ボイド率の気泡流を可視化し速い流れ場を高速度カメラを使って撮影し,その画像情報を画像処理にかけるために16mmフィルムからビデオ画像に変換した。また,汎用の二相流画像処理ソフトを開発するために,安価に画像デ-タ-が撮れる通常のビデオレコ-ダによる翼周り流れ場のサンプリングも行った。 この結果,前縁近傍から気泡は翼面に向かって液相からの急激なスリップ運動を始め翼近くの気泡は翼面に衝突後翼面上を滑る様に移動する,このときに境界層との相互作用によって微細な気泡に分裂する,などのことが観測された。この観測デ-タの解析は容易では無く次年度以降の課題である。また,開発した画像処理ソフトは,通常のビデオ画像デ-タから気泡の集積過程を気相の空間的な存在確率として取り出すことがでる。これを用いて翼周りの気泡の集積度をもとめ,点電極プロ-ブによるボイド率分布の測定結果との比較を行い良い一致を見た。しかし,剥離域での気泡の集積過程および流れ場の形成についての解析に対してはまだ十分に成熟しておらず,この点についても今後の課題となった。
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